皆さま、こんにちは。アフィニティのレホアンです。
フランス留学やワーキングホリデーで渡航されるお客様の中には、日本で料理人として活躍されており、フランスで本場の料理を学んでみたい、あるいはフランス語を習得して現地のレシピを読んでみたいとお考えの方が多くいらっしゃいます。私たちは、そうした料理人のお客様の渡航をサポートする機会も数多くいただいています。
料理人の方ならではの悩みやご質問も多く寄せられるため、今回、パリの一つ星レストランで働かれ、ちょうど一時帰国されていた桃子さんをお招きし、座談会を開催しました。本日はその中で桃子さんから伺ったお話をご紹介したいと思います。
将来フランスへの渡航を検討されている料理人の方にとって、きっと参考になる内容のはずです。
まず簡単に桃子さんの経歴から…
私と桃子さんとの出会いは2014年、10年前に遡ります…。2015年にワーホリでフランスへ行きたいとカウンセリングをご利用いただき、31歳のお誕生日ギリギリのタイミングでワーホリビザでパリ渡航する際のお手伝いをさせていただきました。
2015年 31歳のお誕生日ギリギリでワーホリビザの申請をしてフランスへ渡航、3ヶ月間語学学校へ通いその後パリの一つ星シェフのお店で勤務開始
2016年 約1年間の滞在を終えて日本へ帰国後調理師として都内で勤務をする
2021年 ワーホリの時に仕事をしていたレストランで就労ビザを出してもらい勤務開始
現在に至ります…。
初めてワーホリ渡航のためのカウンセリングをさせていただいた際に印象に残っているのが、「私はせっかくフランスに行くのであればできればフランス人のシェフの下で仕事をしたいと思っているので、語学の勉強もおろそかにせずしっかりフランス語も習いたいです」とおっしゃっていたこと。
たしかにフランス人のシェフの下で仕事をするのであればフランス語は必須ですので、語学学校にも3ヶ月間しっかりと通って、その前日本でも語学学校へ通って勉強なさっていました。
料理学校へ日本で通っていた頃から将来フランスへ行きたいと考えていましたか?
いえ、私は日本にいた時はそこまでフランスへの憧れなどはありませんでした。働いていたお店のシェフにも一度フランスへ修行に行くといいよとは言われていましたが、そこまで興味がありませんでした。
ところが31歳のワーホリのリミットが近づいてきた時に働いていたお店のシェフにも同じことを言われていて、またそのお店がクローズすることになったことから、次に仕事をするお店を日本で探すかフランスへ行ってみるかという選択肢が浮上してワーホリで一度行ってみようと思いました。
2016年のワーホリ渡航時、どのくらいお金をためて行きましたか?
大体200万円くらいの費用をためて行ったと思います。しっかりと語学学校にも通いたかったこともありますし、ホームステイを1ヶ月したのですが、とにかく仕事をするお店選びに妥協したくなかったので、しばらくフランスに渡航してから仕事をしなくても良いくらいの貯金をしていこうとは決めていました。
日本とフランスの労働環境の違いはありますか?
もちろんあります。お店によっても異なるかとは思いますが、まず一番大きいのはバカンスの長さ、お休みの多さだと思います。今私はお店がバカンスでクローズしているのでこうしてゆっくりと2週間以上も日本に帰国をすることができているのですが、フランスの場合レストランも8月に入るとほぼ丸1ヶ月お店が閉まるのでゆっくりバカンスを満喫することができます。
また普段の勤務でも週休2.5日くらいのお休みをいただけていたりするので、作ろうと思えば自分の時間も結構持つことができます。日本で仕事をしていた時には人手がたりなかったりすると週に1回の休みも保証されていないようなこともあったので、ここは大きな違いだと思います。
それからチップ文化はフランスの良いところだと思います。私のお店でしたら月に数百ユーロくらいのチップを皆がもらえるので、これはとても嬉しいです。
若い時に行った方が良いと思いますか?
若いときの方が体力はあるので、フランスのような環境で仕事ができたら週末でサクッと旅行に行ってみたりもできるのでそれは楽しいかなと思います。
ただどうしても若いと料理人としての経験も浅いのでキッチンの中でできることがかなり限られてきてしまい、思うように自分のやりたかった仕事ができない可能性も高いと思います。
語学の習得や色々な食材を見たり試すことは若いうちにできるととてもいいと思うので、メリットやデメリットを考えて渡航のタイミングを決めるといいと思います。
例えば最近の若い方はワーホリ渡航をする前に語学留学として学生ビザを取得して渡航をしてから後でワーホリビザを使って渡航をする方が多いと聞きましたがそういう方法ができるのであればとても良いなと思いました。
仕事をするお店を決める時にした方が良いことはありますか?
そうですね、必ず働くお店の料理は一度食べておいた方が良いと思います。自分が好きな料理か、自分が作りたい料理や味なのかなどわかると思うので必ず働く前にはお店の料理をいただくことは大切かなと思います。
料理人としてこれはフランスへ持って行け!というものは?
包丁!これはマストですね。自分が普段使っている包丁は必ずスーツケースに入れて持っていきましょう。フランスでは日本製の包丁はとっても高額ですし、フランスの包丁は全然ダメなものが多いです。それから安全靴とかコックコート、ズボンなど支給されないお店なんかも多いので、持って行くといいかもしれません。現地で調達するの結構面倒なので。あとは自分が普段使っている調理器具などもあると便利です。ピンセットや調理用の鋏、日本製のデジタル温度計など重宝しました。それから料理用のフランス語の辞書も必須です。
ちなみに料理人関係なくフランスに長期滞在する時に持って行った方がよいものとしては氷枕(暑い時にクーラーがないのであると気持ちいいです)、爪切り筆記用具(100均のありがたみをフランスにいるとひしひしと感じます)、日本製の質の良いバンドエイドや耳かきなどはみなさんにお勧めしておきたいですし、ユニクロの靴下のクオリティの高さもぜひお伝えしておきたいと思います。フランスの靴下は高いのにすぐ洗濯でダメになります。ドラム型の洗濯機で洗われるとどうしてもすぐに生地がダメになってしまうのでユニクロはありがたい商品だと思います。
最後にこれから渡仏をしようと思っている料理人の方へ
今の日本はどんなジャンルの料理を食べても世界トップレベルのものに出会うことができると思います。それくらい料理のレベルは高いですしわざわざフランスへ行かなくてもフランス料理を日本だけで極めるということはできると思っています。ただフランス料理をやる上で本場の国や料理を見る機会というのは絶対に持った方がいいですよね。
例えばですがフランスで一流の寿司職人になりたいというフランス人の方がいたとして一度も日本に行ったことがない人を想像してみるとわかりやすいかなと思います。
フランスの季節ごとの食材はもちろんのことフランス人の生活週間とかフランス人が普段どんなものを食べているのかを知ることも大切ですしフランスの歴史や文化を知ることも大切なことだと思います。日本との違いも見えてくるでしょうし、日本の良さに気が付く方もいらっしゃると思います。
私がフランスに来てよかったと思うのはそういう日本にいたら知らなかった、わからなかった、映像だけでは知ることができなかった体験ができたことだと思います。今もまだまだ勉強中ではありますが。
フランスがどんな国か旅行でも留学でもいいので、自分の目で実際にみてそれを伝えるということが重要かなと思います!