(12月11日)カステックス首相及び関係閣僚の記者会見(12月15日以降の感染対策等について)/ 在フランス日本国大使館より

対象国・地域
大洋州 ポリネシア(仏領)
中南米 ギアナ(仏領), グアドループ(仏領), サンマルタン(仏領), マルティニーク(仏領)
ヨーロッパ アンドラ, フランス, モナコ
アフリカ レユニオン(フランス領)

ポイント
12月10日夜、カステックス首相ほか関係閣僚は記者会見を行い、12月15日以降の新型コロナウイルス感染対策にかかる規制の詳細等を説明したところ、概要以下のとおりお知らせします。

本文
1 冒頭
●感染状況はこの数週間で著しく改善し、1日あたりの新規感染者数が約5万人から約1万人に減少した。
●10月末時点で、フランスは欧州の中で最も感染者数の多い国の一つであったが、6週間前からの改善傾向により、欧州の中でも最も感染をコントロールできている国の一つとなっている。感染者数は10万人あたりの感染者数は107人であり、イタリアやスイス等の隣国よりも少ない。
●感染防止措置は3月よりも緩和されたものであったものの、生活に影響を受けたと承知しているため、協力に感謝する。
●しかし、数日前から感染者数が減少せず、むしろやや増加している。

2 感染状況
●1日の新規感染者数が先週の木曜日の新規感染者数が約12,000人であったのに対し、この24時間では14,000人となっている。再増加というよりも、横ばいの状態だが、横ばいから急増する可能性もある。
●減少傾向の低下の原因として、外出制限の解除及び気候条件(低気温や湿度)が挙げられる。
●12月15日に目標であった1日あたりの感染者数5,000人が達成される見込みがなく、現在の気候条件が今後も継続し、休暇で人との接触が増加することに鑑みると、今措置をとらなければ今後感染者数が増加する恐れがある。
●入院患者数は第一波の時よりも多く、第二波のピーク時には33,500人となった。新型コロナウイルス感染症により、1分に1人が入院しており、入院患者数は減少傾向にあるが緩やかな減少であり、感染から入院までに1~2週間タイムラグがあることに留意する必要がある。
●重症患者は3,000人よりやや少ないが、減少傾向は緩やかである。7分に1人が人工呼吸器が必要な重症患者となっている。
●現在の感染状況から導き出せる結論は、まだ第二波の終わりに到達していないことと、12月15日に1日の新規感染者数5,000人という目標に達しないということである。
●1日の新規感染者数5,000人という基準は、医療機関への圧迫を継続的に減らし、外出制限等をせずに感染を管理できるようになるために必要な基準である。

3 12月15日以降の措置
●夜20時~朝6時に夜間外出禁止令を適用。海外領土には適用されない。
●12月24日の夜のみ外出禁止令は適用されない。12月31日の夜は夜間外出禁止令が適用される。
●夜間外出禁止時間中の移動は、職場と自宅間の移動、健康上の理由、子供の世話や介護等の家族に関する理由、公益上の理由、ペットの散歩等の限られた理由のみで、新たな形式の証明書を紙または電子媒体で携行する必要がある。
●20時以降の運動も禁止。
●夜間外出禁止時間以外の日中の移動の際には証明書の携行は不要。
●地方間の移動を解禁。夜間外出禁止の趣旨は明確であり、日中に移動することを推奨するが、春の外出規制時と同様に、チケットがあれば、乗り換えを理由とした20時以降の飛行機や電車による移動は認められよう。また、治安部隊に対して証明書により示すことが可能であり、かつ目的地まであと十数キロといった場合であれば、その目的地までの移動も認められよう。
●外出が可能になる一方で、テレワークについては減少させてはならず、実施可能なあらゆる場所で継続されなければならない。
●映画館、劇場、美術館、スポーツ施設、動物園、サーカス、ゲームセンターやカジノ等の人が集まる施設の閉鎖を12月15日以降、更に3週間延長。1月7日の再開を検討。
●その他の現在閉鎖中の施設は引き続き1月20日の再開を検討。
●宗教施設に1度に入ることができる人数は現状のままで、増加させない。

4 クリスマス休暇
●12月24日は夜間外出禁止令の例外としたが、自宅内での集まりが感染の一番の要因となっているため、引き続き大人6人を超える集まりは避けるべき。
●12月31日の外出禁止時間前に人を家に招待し、翌朝の外出禁止時間後に帰宅させることは可能だが、夜間外出禁止令の目的は人の移動を最大限制限することであり、そのために12月24日のみを例外とした点を繰り返し申し上げる。より平穏かつ自由な2021年を迎えるにあたり、慎重にかつ責任を持って行動することが求められる。
●高齢者や慢性疾患等のリスクがある人は移動せずに自宅にいることを推奨。
●クリスマス休暇に出かける前に抗体検査の実施を検討する人もいると思うが、症状がなく陰性であったとしても感染していないとは言い切れず、陰性証明をもって大勢で集まることにはリスクがある。また、検査所の混雑を避けなければならない。感染疑いがある場合や、高齢者等と接触予定の人の検査は推奨するが、本当に必要とする人が検査を受けられるよう、過剰防衛は避けてほしい。
●海外領土との行き来の際には出発前の陰性証明が必要。感染防止措置は各地において異なるため政府のHPを要参照。

5 検査
●「検査・アラート・保護」の戦略を強化するために検査数を増加させ、結果判明までのスピードを速め、接触者数の特定を早め、感染者及び接触者の隔離を早める。
●現在、PCRの検査結果の75%が24時間以内に判明しているが、今後は、100%に近づけ、さらには12時間以内の結果判明を目指すことでアラートを強化する。
●抗体検査は週25万件が実施されており、今後更に増加予定。
●陽性と判明次第、患者が帰宅するよりも前に即時に接触者特定に動き出せるように、検査チームを強化する。
●また、陽性者の罰則付き強制隔離はコンセンサスが得られない、そのため「支援強化」として、陽性者の自宅に赴き、同居者の抗体検査、隔離環境へのアドバイス、一人暮らしの人の支援をするチームの派遣を想定している。
●さらに、症状の説明や取るべき行動等についてまとめたチャートを配布予定。

6 経済支援
●企業や被雇用者に対する支援を強化しており、早期に支援が受けられるようにしている。申請書が12月4日からオンラインに掲載され、既に37万2000の企業に対し、総額約20億ユーロが送金されている。今後も支援が改善及び補完されていく。

7 大学
●学生、特に留学生は大変困難な状況にあるため、近いうちに特定の学生対象として、対面授業、特に対面での指導演習を行うこととする。
●CROUS(学生支援機関ネットワーク)における心理カウンセラーやソーシャルアシスタントの活動強化のための予算措置を行う。
●生活のための働き先を失っている学生の困難を解消できるよう、アルバイトのほかチューターとしての働き先を提供している。チューターの活動は厳しい状況にある若い学生への支援にも役立つ。

8 結語
●首相として3つのことを確信していることがある。(1)第二波に対処するための慎重かつ首尾一貫した行動の必要性、(2)ウイルスとの闘いにおける国民全員の協力の必要性、(3)解決策は1つではなく、ワクチン、検査、支援強化、アプリ等全ての措置を用いた感染抑止の必要性である。
●今年1年は恐ろしい1年であった。国民の疲労や困難も理解するが、長引く感染症に対して連帯と責任感を持って対応していきたい。

【問い合わせ先】
在フランス日本国大使館領事部
電話:01-4888-6200(海外からは +33-1-4888-6200)
メール:consul@ps.mofa.go.jp